資産運用の心をつかむための施策
配送センターを出たばかりのトラックの重量と、最後の店舗に配送を終えたトラックの重量は格段に違う。
ドライバーの中にはギアのシフトチェンジを重量に関係なくしている者もいる。
重量が軽くなるに連れてシフトアップを早めて5速の状態にすることを求め、経済運行を実現させる。
これまでは数値化したデータを基にドライバーの運転技術を指導することは難しかったが、新しい車載端末によって、ドライバーの運転が手に取るようにわかってきた。
Sのマークを付けた配送トラックは、一つのルートで約10店舗に商品を届けるのが基本である。
ドミナント出店だから、同一地域には大抵、500店舗の「S」がある。
配送センターでは50コース、10台のトラックが街を走っているのを管理している。
ドミナント路線は変わらないから、同一地域での店舗数は恒常的にじわりじわりと増えていく。
配送ルートは店が1店舗増えるごとに見直される。
しかし簡単に配送ルートが変更されるわけではない。
1店舗が新たに配送ルートに加わることで、配送トラックの到着時間が後ろにずれることがあるからだ。
これまで午後4時に弁当や総菜などのファストフード類が届いていた店舗への配送が、30分程度遅れるようなケースが出てくる。
もし、この店舗で午後4時から5時ころに弁当などを求め多くの買い物客がやってきているとしたら、配送トラックの遅れは売り上げと利益の減少に直結する。
工場や学校周辺などの店舗では、時間によって人の出入りが大きく変動する。
少しの時間の差が売り上げを大きく左右する。
こうした場合は、配送トラックの店着時間を変更しないように、新たな配送ルートが検討される。
どのルートを使えば配送距離が短くなり、かき入れ時までに商品が店に届くのか。
S本部の物流担当者は地図とにらめっこの日々が続く。
Sはある特定の目的を達成するための処理手順「アルゴリズム」を使って最適な配送ルートを導き出そうとしているが、その解は見つかっていないという。
人間の経験則はいまのところコンピューターより上回っている。
京都大学大学院は2006年春にこの難攻不落の配送ルートの問題に挑む。
Sの物流は日々変革し、店舗数も拡大している。
新たな解か見つかったとしても、その解は翌日には通用しなくなっているかもしれない。
毎日、休むことなく最適解を模索することになるのである。
毎週火曜日の午前6時半ごろ、大阪国際空港(伊丹空港)近くの駐車場にT自動車のコンパクトカー「ヴィッツ」がどんどん吸い込まれていく。
白い車体には「S」のマーク。
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